好き≠恋(日文版)-第35章
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変なことはしないと言っても、先ほどやられたのだ。信懀预蠠oいけれど、腕を引っ張って部屋に連れて行かれてしまっては、拒むも何も無かった。初めて入る歩の部屋は思った以上に、綺麗だった。
部屋に入るなり、キョロキョロとしている健人に「あんまり部屋の中、見ないで」と歩は苦笑いをした。汚くしているつもりもないが、綺麗にもしていない。あまりじろじろ見られると、見られちゃまずい物まで見られそうで怖かった。
「適当に座って」
「……うん」
適当にと言われてもどこに座っていいのか分からず、健人はテ芝毪吻挨俗盲俊<窑沃肖恰⒆苑证尾课荬乳g取りも同じなのに、他人のテリトリ巳毪毪长趣长螭胜摔饩o張するとは思わなかった。蒸し暑い部屋の中に、冷たい風が吹き始める。
「驚いたね。まさか、あんなに早く帰ってくるとは思わなかった」
歩は健人の隣に座って息を吐きだした。さっきまで抱き締められたり、それ以上のことをしていたと言うのに、隣に居るだけで緊張していた。上手く言葉を出すことが出来ず、健人は目を逸らして床を見つめた。なんて言って良いのか分からない。一瞬にして部屋は無音になり、沈黙が続いた。
隣にいる歩が動く気配がして、健人は最高潮に緊張した。また先ほどと同じことをされても、拒めるとは思えない。ぎゅっと目を椋Г袱皮い毪取⒓绀酥丐撙蚋肖袱平∪摔夏郡蜷_けた。
「……ね、て……、る?」
目を椋Г袱皮工浃工浃惹尴ⅳ蛄ⅳ皮皮い霘iを見て、健人は大きく息を吐いた。先ほどまで緊張していた糸がウソのように解かれ、緊張していたことがバカバカしく感じる。ここ最近、眠れなかったのは歩も同じだったのだろうか。肩に温もりを感じながら、健人まで眠りについてしまった。
互いに好きあっていたとは、お互いに思っていなかったのだろう。こんな不安定な気持ちほど、思考を乱されることはない。
好きと言う気持ちが、恋に変わりつつあった。
母の怒鳴り声で目を覚まし、二人は慌てて1階へと降りた。約束の時間は6時で、怒鳴られたのは7時を過ぎた頃だった。
「二人揃って寝てたってどう言うことよ。6時って言ったじゃない」
「ごめんって、母さん。まぁ、早く行こうよ」
「そうね」
時間を守らないことを嫌う母は車中でも不機嫌だったが、焼き肉屋に入るとその不機嫌さもどこかへと消えてしまったようだった。メニュ蚱证说陠Tにどんどんと注文をして行く。昔から、母はこうやって食べにくると羽振りが良かった。レストランで健人に「食べたいものは何でも言いなさいよ」と言って、勝手に頼んで行く姿を思い出した。
「来月、博人さんの13回忌なんだけど、みんなで行くわよ」
はっきりとそう言った母に、健人は箸を落としそうになった。まさか、義父の前で父の話をするとは思っていなかったし、13回忌に歩や義父を連れて行くとも思わなかった。去年の墓参りは二人で行ったから、余計だった。
「……え、何で?」
「何でって、親戚関係にも説明しなきゃいけないし。本人たち、居た方が良いでしょう? まぁ、勉さんと歩君がイヤだって言うなら良いけど」
健人が二人に視線を向けると、歩は肉を食べながら「健人のお父さんの13回忌でしょ、行ってみたい。父さんが行くって言うなら、行くよ」と返事をした。義父も大してイヤそうな顔をせず「歩が良いって言うなら、行くよ。行ってみたい」と興味を示していた。はっきり言って関わりもない父の13回忌に顔を出してくれるとは思わず、健人の気持ちは眩jだった。けれど、これからも父が死んだことやこう言うことは付きまとってくる。二人が気にしないなら、健人も気にしない方が良いと思った。それに、純粋に歩が行ってみたいと言ってくれたのは嬉しいことだった。
「じゃぁ、決定ね。ちゃんと、起きなさいよ。あんた達」
にっこりと笑みを向けた母に、二人は「はぁ工确凳陇颏筏啤⒛郡吻挨藖Kべられた肉を食べていた。
天気は良好、日中の最高気温は35度を超える真夏日だった。そんな中、ぅ供‘ツを身に纏った健人は汗を流しながら、正座していた。ジ俯‘とセミの鳴き声に混じって、僧の声が聞える。13回忌と言うことで親戚関係も人が集まり、歩や義父の姿を見るなりに嫌悪を露わしていた。こんなことになるのはある程度予想していたのか、二人は後ろの方に座っていた。
「景子さんと健人君、ちょっと良いかね。佐偅丹螭仙辘吩Uないが……、ちょっとだけ席を外してほしい」
法事が終わるなりに祖父から声をかけられ、健人と母は別室へと移動した。出て行き際に歩に目を向けると、歩は心配そうな顔をして健人を見つめていた。義父も母を見てそんな顔をしていたので、親子揃って似た顔をしていると健人は少し笑ってしまった。何を言われるかは分かっている。父の法事に、再婚相手を連れてくると言うのはどう言うことだと追及するつもりなのだろう。母はまっすぐ、祖父を見つめていた。
「景子さん、どう言うことなんだね」
「何がですか?」
「今日は博人の13回忌であって、命日でもある。そんな日に、あんな……、再婚相手を連れてくるなんて……」
祖父は顔を顰めて母を睨んでいるようだった。健人は母の隣に座って何も言わず、文句を言っている祖父の顔を見つめていた。少ししてから祖母まで中に入ってきて、祖父の隣に座った。歩や義父を連れてきたことに、かなり腹を立てているようだった。
「何か、悪いことでもしましたか? 博人さんを貶すようなことを、あの二人が言いましたか?」
「そう言う問睿袱悚胜い坤恧Α2┤摔⒖砂毪馈
項垂れる祖父を見て、健人の胸が少しだけ痛くなった。祖父の言いたいことも分かるし、健人も前までは同じことを思っていた。再婚をすることで、母が父のことを忘れてしまうのではないかと。そんな風に思うことはあったけれど、母はそんな薄情な人ではない。忘れないためにも、歩と義父をここに連れて来たのではないかと、健人は思っていた。
母が昔、愛した人を知ってもらいたい。そんな単純な理由だと、思っていた。
「……可哀想、ですか」
「そうだろう! 君は博人に対して失礼なことをしているとは思わないのかね!? 私たちにだって、再婚した後に報告なんて……。酷過ぎるだろう」
糾弾されているが、母はしっかりと前を見て現実から目を逸らしたりなどしていなかった。そんな母の姿を隣で見つめ、健人は母の強さを知った。こうして糾弾されているのを見ると、この場に母の味方は居ない。健人しか、居なかった。
「健人君だって、可哀想じゃないか。私たちが健人君を見ると言っても、君は自分で見ると言ってきかなかった……。その間、健人君がどれほど辛い思いをしてきたのか……、君は分かっているのか? 健人君のことを、考えてやったことはあるのか!?」
そう追及された時、ふと母が悲しげな表情を見せた。一瞬だったけれど、母の顔を見つめていた健人はそれを見てしまった。辛い思いをさせてきたと、母なりに自覚はあったようだ。それを見て、健人は摺Δ仁驻蛘瘠盲俊
確かに辛い、寂しいと思ったことはあった。けれど、自分自身を可哀想だと思ったことなど、一度もない。
「それは摺Α0长稀⒛袱丹螭榷摔盲辘扦鈽Sしかった」
呟くように言うと、視線が一気に健人へと向けられた。健人はまっすぐ祖父を見つめて、もう一度「楽しかった」と言った。
「はっきり言って、母さんが再婚するって聞いた時はショックだった。俺と二人っきりじゃイヤなのかと思った。でも、それは摺盲俊D袱丹螭⒛袱丹螭xんだ人をお祖父さんやお祖母さんが否定することなんてしちゃいけない。歩や、歩のお父さんは……、悪い人なんかじゃない。俺達のこと、ちゃんと考えてくれている。俺はあの人たちに会えて、良かったと思ってる」
「……健人……」
「今日だって、あの二人は純粋に父さんのためを思ってここまで来てくれたんだ。本当は、こんなところに来たくないと思う。だって、母さんが昔好きだった人の所に来るなんて、普通に考えたらイヤなことだ。けど、行ってみたいって言ってくれて、一緒に来てくれた。ちゃんと、父さんを供養しに来てくれてるんだ。その好意を俺は偽善だと思わない」
健人の目を見て居られなくなったのは、祖父の方だった。健人から目を逸らし、俯いて、「……お前まで」と失望したような声が聞こえて、健人はぐっと拳を握った。
「それに父さんは可哀想なんかじゃない。本当に可哀想なのは、見捨てられて、その存在まで忘れられることだ。ちゃんと母さんの中でも、俺の中でも、父さんは生きている。俺の父さんは、ただ一人だ。俺が生きている限り、父さんはたった一人なんだ」
忘れようと思っても、忘れられないのが現実だ。健人の中で流れている血は、義父のものではなく、6年前に死んでしまった